たくさんの人が登場し、その人たちがみんな幸せそうに笑っている絵を描く少年がいます。
金沢市に住む15歳の輪島貫太さんです。
妹の楓さんも、見る人の気分を明るくする色とりどりの切り絵を作ります。
2人の作品は公共のイベントや施設など、いろいろなところで使われ始めています。
2人は幼いころ自閉症の診断を受けました。
自閉症には自分の気持ちをうまく伝えることや、他人の言葉の意味を理解するのが苦手という特徴があります。
母親の満貴子さんは戸惑いながらも、2人の行動や態度を特性ととらえて向き合い、
その中にある個性を伸ばす「個育て」をしてきました。
【この世界は楽しく、人はみな、たった1人のかけがえない存在】
2人の作品と存在は、そう私たちに伝えてくれるかのようです。
この本はそんな2人の作品と、その芽を伸ばそうと奮闘している母親の「個育て」の軌跡です。
作品もふんだんに盛り込んだ、アート本としても楽しめます。